14年第2号
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平成14年4月5日(金)発行

大型ゴミ収集場が完成しました
 大型ゴミの収集場所にフェンスを設置し、施錠しました。大型ゴミの収集は
2ヶ月に1回で、月により収集日は変わってきますが、大森区は火曜日になっ
ているため、収集当日の2日前から開放いたします
(4月は16日になってい
ますが、
2日前の日曜日から開放)
葬式の簡素化への動き

 葬式の簡素化への動き
『葬式の簡素化』については、これまでから話題になっており、ことしは区でも検討
していくことになりましたが、本年度はすでに3人の方がお亡くなりになったこともあ
って、区内から新たな方向が提案されています。

1. 「6・7組」の決定
6・7組では、3月に入って2日続けて葬式があり、急遽次の2点を取り決められまし
た。
◆ 隣保の初七日のお参りには手ぶらで行く(従来はお供えとして千円持参)。
◆ 喪主は、隣保の初七日のお参りに対し、粗供養の品は出さない(これまでは、
大きな紙袋に4〜5品を持ち帰ってもらうケースが多かったようです)。
この決定を2軒の喪主に了解していただくとともに、区内他隣保からお参りしていた
だく方には組長が出向いて伝え、ご了解をいただいた上で初七日のお参りをしてい
ただきました。
2. 婦人部でも協議
3月24日、婦人部役員会に区長の出席を求め、『区で統一して簡素化を進める』た
めの協議を行ない、下記の要望事項が提出されています。
(1) お通夜について
お通夜のお返しは廃止し、接遇はお茶とお菓子程度でアルコールは出さない。
(2) 葬儀当日
隣保の食事は一回だけとする。
区内からの香典には、ハガキ(会葬礼状)だけを渡す。
(3) 初七日のお参りについて
ご仏前、お供えは持参しない。供養の品(お返し)は廃止する。
接遇はお茶とお菓子程度とする。
初七日にお参りいただく日時は、葬儀後公会堂にお礼に行った時に案内する。
(4) 香典返しについて
区内への香典返しは廃止する。
3. 「6・7組の決定」と評価
2日続きの葬儀のあと、6、7組の皆さんは1時間30分以上かけて議論されたよう
です。"激論"が交わされ、誰もが判断に苦しみながら決められたようにお聞きして
います。この決定は喪主にも衝撃的でとまどいがあったはずですが、隣保の皆さ
んの意向を汲んで了承されました。
この決定を他隣保の方は、「いいことだ」と簡素化への第一歩を歓迎される意見が
ある一方で、「簡素化を進めることはよいが、何でも簡素化していいのか」という異
論もあり、6・7組の方の中にも、「決定はしたが、これでよかったのか」という迷い
もあるように思います。
しかし、隣保で議論され、簡素化への第一歩を踏み出していただいたことは、評価
されるものではないでしょうか。この決定が、区内各方面から意見が寄せられる契
機となっています。
4. 「6・7組の決定」と「婦人部の要望事項」の位置づけ
「6・7組の決定」は6・7組だけのものであり、「婦人部の要望事項」も、女性の立
場で「葬式の簡素化に向けた話し合いをし、全区で統一してほしい」という要望で
あって、今後他隣保で葬儀が発生した場合、これを拘束するものではありません。
5. 簡素化への課題
葬式はどこの家庭にもかかわるものであり、飲食や初七日のお参りとお返し(粗供
養)だけでなく、初盆のこともあります。祭壇や葬列、受付など、今後男性が担う作
業も含め、総合的な協議が必要になってくると思います。
「6・7組の決定」は簡素化の第一歩で、婦人部役員さんによる協議も意義のある
ものですが、大森区は歴史の古いムラであり、何事も簡単に変更することは、は
ばかれるところがあったと思います。それによって他地区より遅れてきたこともあ
れば、大森独自の風土や生活の有りようが、区を守り育ててきたことも言えると
思います。簡素化への取り組みに関する意見の中で、そんな背景も見えていま
す。
以下、区長が聞いた意見を紹介します。
◆ 簡素化とは、無駄を省く、質素にすることだが、何でも省いていいのか。
◆ 葬式の日役は大変。2日休んで出勤したら「デスクがなかった」という厳しい時
  代だ。しかし、日役は罰金を払えば許されるが、葬式日役は許されない。どこ
  の家にも起こり得ることだ。
◆ 葬式の日役は隣保の者が集まるよい機会だ。手すきの時間に区のことなど、
  いろんな話し合いができる交流の場となっているのは、今も昔も変わらない。
◆ 簡素化の取り決めは良いが、各家の事情もあるため"完全"を求めるのはどう
  か。
◆ 簡素化が横着を助長する結果とならないか。葬儀屋さんまかせで、喪主の負
  担増になっているように思う。
◆ 婦人部は、葬式当日の食事は1回だけというが、私の隣保では以前から仕上
  げの膳はない。残りものをツマミに飲んでいるのであって、普段できない話をし
  ていることを分っていない。ダラダラとやっているわけでないし、男手で片付けら
  れる。
◆ 簡素化の思いは誰にもあると思うが、人数の多い隣保では花場の仕事はすぐ
  終わり、時には開式まで2〜3時間手持ちぶさたになる場合もある。その反動
  で不手際が見られる。簡素化と同時に丁寧な仕事が必要だ。
◆ 最近葬列順序に間違いが見られる(最後尾に並ぶ下がり龍が、龍頭と一緒に
  並んでいる)。簡素化は必要で葬列もその対象になってよいが、大森流の良い
  ところ(葬式や葬列のもつ意味など)は、間違いなく伝えることが必要だ。
◆ 簡素化は必要だが、仕出し弁当が増えていると聞いた。同じ所で生活し、お世
  話になった方を見送るには炊出しが最高の供養だ。
6. 今後の進め方
14年度総会では、
◆(葬式の簡素化は)「家のしきたり等で阻まれてきた経緯がある。具体的な提案
 (金額など)をしないと今までと何ら変わるところがない」(総会での意見)
◆簡素化についてはさらに熟度を高めていただき、次の役員さんに引継ぎ検討い
 ただく(議長提案)ということで、継続協議事項になっています。
6・7組の決定は、簡素化への契機となりましたが、現状は各隣保ごとに葬式日役
の人数に違いがあり、取り組み方や考え方も"隣保差"があって、それぞれに長所・
短所があると思います。それぞれの隣保の特性を活かしつつ、他隣保のよいところ
を取り入れることもできます。各隣保ごとにお考えいただき、それが区内統一に向
けた第一歩ではないでしょうか。ご近所やいろんな組織(老人会、子ども会ほか)の
集まりも利用し、話し合っていただきたいと思います。